スマートライセンシングで産業用アプリケーションを偏りなく利用可能に

CodeMeterを利用したアプリケーションストアは、Flagship Store for the OI4 Communityとして立ち上げられました。登録したクライアントは、Hilscherやその他のオートメーションのスペシャリスト、Bytefabric.AI、Lenze、UReasonなどの産業用製品を供給する企業のアプリケーションをダウンロードできます。このストアは、Docker技術およびCodeMeterによる保護とライセンシングを盾に構築されているため、産業用アプリケーションマーケットへのアクセスはシンプルに設定されています。OI4 Allianceは標準化の作業を継続しており、標準化されたOpen Operator Cloudとの連携がまもなく実現される予定です。Open Operator Cloudは、現場アプリケーションの統合や試運転の自動化と合理化を可能にしますが、このことは、ヒルシャー独自のデバイスおよびアプリケーション管理ソリューションであるnetFIELD.ioですでに実証されています。

ヒルシャーの産業用IoT生産管理部長であるUwe Schnepfにとって、アプリケーションストアは、単なるもう1つの販売チャンネルではありません。このストアにより、産業用アプリケーションの作成者や産業オートメーションのスペシャリストと、ターゲットユーザとの関わり方にパラダイムシフトが起こります。製造業には、多種多様でフラグメント化されているという特性があるため、Schnepfは、閉鎖的で独自仕様の従来型ソリューションは行き詰っていると考えています。多様性があり、オープンであるということは、利用できるソリューションが多く、現場の人々の様々なニーズに応えられるということです。Schnepfは、「弊社のパートナーのそれぞれが特有の問題を解決している」と信じています。「たとえば、PLCからデータを収集するとします。次に、そのデータを何らかのローカルAIを使って分析します。その後、そのデータをビジネスインテリジェンスに転送します。」この一連の流れのどのつながりの部分にも、それぞれに固有のニーズや問題があり、違うベンダーの別のアプリケーションが必要になる場合もあります。

特定のベンダーのエコシステムにロックインされるのではなく、自由に選択して、産業用アプリケーションの世界から本当の意味で偏りをなくすには、標準化だけでは不十分です。Open Industry 4.0 Alliance (OI4) などのコミュニティによる標準化の取り組みで、技術的な競争の面では公平性がもたらされますが、それでは、エンドユーザが本当に自由にアプリケーションを選べるのはどこなのかという問題の解決にはなりません。ドイツのハッタースハイムに拠点を置く産業用通信のスペシャリストであるヒルシャーが、OI4のワーキンググループとチームを組みんで、これまでの状況を覆すアプリケーションストアを作った理由がここにあります。このチャンネルの利用に関心があるあらゆるベンダーに対してオープンで、独自仕様のハードウェアやソフトウェアのエコシステムに縛られません。Hannover Messe 2023で初めて発表されたストアが、Flagship Store for the OI4 Communityとして年内に始動します。